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2001年05月23日

◆ホールクロップサイレージ

 大失敗したDTCのグループディスカッションの帰り、ここで一緒だった農学研究科の学生との間で話題になったのが、米の飼料化でした。

 都会にいると関心が薄くなりがちの農業問題ですが、日本にとって水田は非常に重要な役割を果たしています。
 特に保水と生態系の問題で水田が果たす役割は大きいです。
 しかし、一方で、米の供給過剰が非常に難しい問題となっていました。
 そして、需給関係の悪化と水田の保全を両立するための道として、米の飼料化があるわけです。

 ちなみに飼料化といっても、全ての家畜に当てはまるわけではありません。
 特に卵用の鶏は無理です。
 理由は食べられないから、ではなく、黄身が濃いほど良い卵、と誤解している人間のせいです。
 鶏の飼料にトウモロコシ、アルファルファ(豆科の牧草)を使うのは、栄養面で優れている事もありますが、これらが黄身を濃くするためでもあります。
 また、サフランも入れます。香辛料としての使うのと同様、黄色くなります。
 昭和50年代に米余りから、鶏に米を食べさせた時期があったらしいのですが、黄身の色が落ちました。
 大変な苦情だったらしいです(昔、NHKの「クイズ面白ゼミナール」で見ました)。
 この手の偏見はなかなか直せないので、まず、利用は不可能でしょう。

 したがって、米の飼料化では、お牛さん用が主な用途になります。
 今考えられているのは、サイレージ化して飼料にする方法のようです。
 サイレージとは、茎ごととったものをサイロに突っ込み、乳酸発酵すること。
 「お牛さんの食べる漬け物」です。
 昔、牧草のものを酪農家で見たことがありますが、なかなか強烈な臭いでした。

 推測ですが、おそらくサイレージ用のものは、輸入していないと思います。
 自家生産、または国内生産に限られているでしょう。
 そこに活路がある、という事だと思います。

 しかし、問題点もあるようです。
 一つは、生産上の問題。
 作物ごとに刈り取り時期や発酵のスピードが違うため、ノウハウを積む必要があります。
 もう一つは、農家のマインドです。
 農学研究科の学生に聞いた限りでは、やはり米を飼料にすることに抵抗があるみたいです。
 そして最後に、これは農政全般との関係ですが、需要量の問題です。
 サイレージ用の需要がどれだけあるか分かりませんが、供給超過を埋められるほどの需要は見込めないと思います。稲作問題を緩和する効用はあっても、是正するほどの力はありません。
 やはりそろそろ抜本的な改革も考えないといけないでしょう。

 稲作で最大の問題は、その需給調整の方法です。
 価格による需給調整が全く働かないほどの保護主義を採っているため、生産調整しか道はありません。
 しかも、その生産調整は一律減反政策。
 稲作に適した土地かどうかの考慮も無ければ、虫食いのように畑作地を作ることの利害も考慮に入ってません。
 そして、そもそも高付加価値の(といっても、政府が保護しての高付加価値ですが)米で何とかやっている農家が、同じ面積で畑作にしても、当然利益は減少します。不満が出るだけでなく、農作自体を止めて、農地を荒地化させてしまう所が続出してますから。

 やはり、集約化を進めて、大規模農場を作るようにしないと、日本の農業の生きる術は無いでしょう。
 大変手間とカネのかかる政策ですが、今のうちにやらないと、農業自体がダメになる。そんな時期に来ていると思います。
 小手先だけ考えるのではなく、平行して農業の再生を考えて欲しいと思いますね。

Posted by mino at 2001年05月23日 10:19
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