Sponsored Link

2001年08月07日

◆カネの流れ

 ちょっと分かってきました。私の研究している1938~40年のカネの流れが。

 私のお勉強しているのは、39年の華北地方(北支、と言われていました)をめぐる日本とイギリスの争いなんですが、研究していく上で、どうしても経済、特に金融の流れを知らないとダメだったんですね。経済上の権益が最大のテーマだったんで。
 分かったのは以下の点です。

 まず、当時の日本は今と違って外貨を手に入れる事が国にとって大変大切でした。なぜ外貨が必要だったかって言うと、アメリカさんとかイギリスさんとかから、技術の進んだ工作機械とか、日本で作れないものを買う必要があったからです。あと、石油など日本で穫れない資源とかもそう。
 一方、戦争やっていたので日本自体の生産力が落ちていた。モノが不足すると、インフレが起こる。インフレが起こると、当時は固定相場でしたから、実質的に円高になる。そうすると、国際競争力が下がる。その結果、外貨が手に入らなくなり、資材が手に入らなくなるから、よけいに相対的な生産力が落ちる--、という悪循環に陥っちゃってました。
 結局当時はこうした悪循環を断ち切るために・・・大蔵や商工省(今の経産省)が主導で、しなやかに(最近は長野県知事のこのお言葉がお気に入りなもので)ダンピングをしていました。大企業が国内で暴利を得るのを認めつつ、外には安価に輸出させてました。外貨を得るために。

 一方、私の懸案の北支では、これを日本の通貨とリンクした貨幣(連銀券と言われていました)を広めるか、外貨とリンクしていた当時の中国の通貨(法幣と言われてました)を使うかで大もめだったんですね。
 軍部の強行勢力は連銀券支持。現地で略奪的な物資補給も可能でしたし、また、日本が自由に開発するためにもこちらの方が楽でしたから。そして、なるべく日本の自給力を高めて、依存度を下げたかったわけです。
 一方、大蔵省なんかは法幣の方が良いと思っていたようです。実効性に問題があったのも一つの要因ですが、英米の権益を害するようなことは避けたかったし、外貨獲得先が減ってしまうとも考えたからです。

 結果から言うと、軍部が頑張っちゃって、イギリスと対立、芋づる式にアメリカとも対立、禁輸まで食らって、外貨云々の話どころでは無くなり、毒食らうなら皿までって感じで無茶な戦争やっちゃうんですけどね。

 モノの流れとカネの流れは、北朝鮮のような物々交換の貿易でもしていない限り、鏡のような関係にあります。金融が見えると、経済が見えるわけです。
 そして、経済が見えると、戦前とはいえ、外交や軍事の合理的部分が見えてきます。
 当たり前の事ですが、何か不思議なものです。

 振り返って、今の日本の状況はと言うと・・・全然分かりません(笑)。
 結構、カネの流れって、報道されないから分からないんですよね。
 円借款とか、為替相場の誘導とか、ちらっと見えそうで、うまく隠されている仕組みが結構ありそうなんですが。
 面白そうですし、おいおい勉強してみる事にします。

Posted by mino at 2001年08月07日 06:49
コメント