2001年08月30日
◆実務家
本日は法学部図書館の事務室にお呼びがかかって、やんわりとお説教食らってました。
事務室でお説教なんて、高校生以来ですわ。
まぁ、結果責任なので、仕方ないです。とほほ。
さてさて、今日は担当教授と修士論文の相談。
あれもこれもやりたいという私の暴走に、やんわりと釘を刺して頂きました。
なかなか、切り口を鋭く保つことは、難しいです。
外交文書とか読んでいると、色んな人の色んな能力に気付かされます。
巷ではあまり評価の高くない当時の駐日英大使なんぞも、日本側の意図を知り、それに対応する形で政策を実施する「嗅覚」が大変優れているように思えます。
この嗅覚こそ、実務家の印であって、まるで条件反射の如く、相手の出方や変化する環境に応じた形で、的確な政策を打つ事ができています。ここら辺は、大変感心します。外交家としてはどうかと思いますが、少なくとも外交官としては超が付くほど一流だったんだなぁ、と個人的には評価しております。
しかし、長期的視点から、戦略を練ったり、枠組みを与えたりとか、そういう能力というのは、なかなか難しいようです。
むろん、こういった類のものは、得てしてイデオロギーや感情的要素等、自分、もしくは相手の不完全さを前提としていますし、勝てば官軍みたいな所もあって、後々評価するのすら困難を伴うものでもあります。
ただ、明らかに言えるのは、前者のような短期的、反応的な実務家の能力とは、また別の能力である、という事ですね。
一番顕著なのが日本の軍部です。彼らの最大の弱点は、短期の利益をひたすらひたすら追うだけで、長期的戦略をそういったものに完全に従属させてしまっていた、という事でしょう。陸軍というのは、当時、日本の中でもエリート中のエリートと言われる御仁が沢山いたにも関わらず、広い視野を保っていた人間が、全くと言って良いほどいませんでした。短期の行動予測に基づく戦闘、謀略などには大変優れた面を持っていたのは事実ですが、それらが国全体のバランスシートにどう影響するのかといった面には、一院生の私が大変首を傾げるほど無関心でした。世間一般で言われているほど、こいつらも阿呆ではなかったと思っているので、なるべく名誉回復を図りたいという思いは持ってますが、それでも、やはり納得できない事が多すぎます。
こうした考えがあるせいでしょうか。日本の現場裁量主義とか、実務家的なるものを極端に尊ぶ風潮というのには、賛成する気になりません。そりゃ、短期の利益を追いまくるのには良いけど、それだけでは、明確な利益の源泉が無くなった今の世の中では脆弱的すぎると言わざるを得ませんわ。バブルの教訓って、何だったんでしょうね。
ちなみに、これは、コンサルが長期の戦略を・・・という立場を表しているわけではありません。彼らは大変分かりやすい「戦略」は出せますが、実際必要とされるものは、もっとデリケートで、属人的なものだとも考えていますから。
ただ、どちらにしろ、彼我を分けたり、枠組みを考えたり、相手の長期的利益を酌むといった、静的で広い視野を保つ、っつう能力は、是非是非身につけたいものです。希少性があるほど、市場価値も高まるというものですし。
・・・まぁ、需要があれば良いのですけど。
